ガラケーソーシャルゲームで成功した会社がスマホネイティブゲームにうまく移行できないときに陥る8つの共通点について考えてみた
はじめまして、 id:ishino_nakani_iru です。
スマートフォンアプリを作っている会社で日々楽しく過ごし、しばしばお腹を壊している普通のひとです。
先日知人とお酒を飲みながら、「ガラケーのソーシャルゲーム(GREE/mobageなど)で大成した会社って、スマートフォンのネイティブアプリでは全然イケてないアプリを作りまくってるよね」という話になり、どうせならお酒の場で終わらせるんじゃなくて日々考えてることをブログに書き溜めれば誰か素敵な情報をくれるんじゃないという話になり、とりあえず始めてみることになりました。ゆるゆる続けられたらなと。
そんなこんなで、ガラケーソーシャルゲームの会社がスマートフォンネイティブ向けソーシャルゲームに参入したときに、これはイケてないし1年以内に(自然淘汰されるという意味で)絶滅するだろう…と思っているポイントをつらつら書き連ねてみます。
マイページが1画面に収まりきらず、縦に長い
これがガラケーからソーシャルゲームを作っている会社と、スマホからゲーム事業に参入した会社の大きな差かなと。
スマートフォンからゲーム事業に参入した会社は、マイページでは1ルックに全ての情報を詰め込んでいるなと感じているように感じるのですが、マイページが縦に長く、下の方まで読まないと全ての情報を手に入れることができないような縦に長いマイページはストレスだなぁとか。
ネイティブ化が進めば1年くらいでこの「縦に長いマイページ」は絶滅する気もしています。
また、カードバトルが流行ですが、カードを手に入れたときの画面が1ルックで完結していないのもガラケーソーシャルゲームからの悪しき習慣かなと思っていたり。
ガラケーは「5」キーを押せば先に進めたためストレスが無いものの、スマホは画面をスクロールさせた上で「次に進む」ボタンを押さなくてはいけないのが凄くストレスに。
フリックや画面の右端を押すことで次の画面に進めたらいいのになぁとか。
横にフリックする動作が無い
ガラケー向けのアプリを出している会社は、フリックして選択させるという思想が無いためか全然「横にフリックさせる」という動作が無い気がしています。
そもそも「フリック」を有効活用できているゲームが殆どなく、もったいないなーと。
カードを複数選択する際にチェックボックスを使っている
これもガラケーと並行してソーシャルゲームを作っていた会社の悪しき慣例な気がします。新しく出してきているゲームはそんなことは無いものの、もう半年くらいでこういったUIを使っているゲームは絶滅するのでは。
プルダウンで選択させる仕組みがある
上に同じく、ガラケーと並行して作っていたソーシャルゲームの悪しき習慣。
最初からスマホ向けに設計していれば、横フリックで選択させるor1画面の中に選択肢が全ておさまるように設計できるのに何故…
フォントがWeb閲覧用のフォントのまま
コンシューマーゲームではゲームの世界観に合ったフォントを使用しているのが当たり前で、ネイティブアプリの世界にもゲームを中心にその流れが来ているなと感じています。
世界観に合ったフォントを使用したゲームに慣れてしまうと、もうゲーム中でMSゴシックを見たいとは思わないよ…という気分になっていたりしています。
ページ遷移の度に通信が発生する
ブラウザゲームの会社がネイティブソーシャルゲーム事業に参入すると必ずといっていいほどブラウザゲームの負の遺産である「毎回通信」が発生してしまうのですが、ネイティブアプリに慣れるともうこのゲームは避けたいな…とか思ってしまっています。
例えば良くあるカードバトル系であるなら、カード強化画面からマイページやヘルプ画面等に遷移するタイミングで通信が発生するのは、きちんとしたネイティブアプリに慣れてしまった身からすると今さらこのアプリを積極的にプレイしようとは思いません。
通信を最低限にしたり、ユーザーに通信していることを意識させないようなアプリを作れた会社が次なる勝者になれそうな気もするなぁとか。
お詫びがガチャチケットorゲーム内アイテム
特にGREE/mobageで大成した会社に多い気が。確かにGREE/mobageでは、お詫びにユーザーに対してモバコインを付与することができなかったため、ガチャチケットや回復薬を付与していたように感じるのですが、直置きネイティブアプリならパズドラの魔法石のようなゲーム内仮想通貨を付与したほうが良いのではと感じています。
というのも、ソーシャルアプリをプレイするユーザーのうち、課金に慣れているユーザーはまだまだ少数派のため、「課金した時のみ手に入れることのできるカードやアイテムの効果」を実感できているユーザーはまだまだ少ないのかなと。
運営が積極的にゲーム内通貨を配布することで、「あと100円課金すれば11連ガチャを引くことができるしお得だな」「イベント限定ガチャを回してみたけど強いカードが折角手に入ったし、ダブらせればこれから先ずっと使えそうだから今回だけ課金しようかな」という気分になりやすいのかなと思っています。(ただのガチャチケットではこの訴求力は無い)
個人的には、にゃんこ大戦争はゲームの面白さもさることながら、積極的にゲーム内通貨を配布することでさらにユーザーが課金するための引き金になっているのかなと感じました。
人って不思議なもので、ゲーム内で課金しないと手に入れることのできないゲーム内通貨のような資産がたまると、何故か勿体なくなってそのゲームを続けようという気分になるんですよね。ふしぎ。
何故か背景が黒い
これ、別に悪いことではないんですが、ネイティブアプリからゲーム事業をはじめた会社のゲームの背景は鮮やかだったり白かったりするものの、GREE/mobageにソーシャルゲームを出していた会社のゲームは必ずと言っていいほど背景が黒っぽいのです。何かあるのかしら…
最近だと、GREE/mobageで大成したソーシャルアプリプロバイダのうち、きちんと「これこそネイティブアプリのソーシャルゲームだ!」と言えるものを出せているのはKLabさんのラブライブ!スクールアイドルフェスティバルぐらいかなと思っているので、もっとがんばって業界全体が盛り上がっていってくれればいいなーと思っています。
もちろん、ソーシャルアプリに関しては最終的には運営力で何とでもカバーできるなと思っているのですが、ユーザーが快適なゲームに慣れてきてしまうと、上記のような負の遺産が残っているゲームはどんどん淘汰されてしまうのかなとか思っています。
ほかにも「こういう共通点があるんじゃないか」という意見があれば、コメントやブコメでぜひぜひ。
※スマートフォンのシステムフォントはMSゴシックじゃないですよとご指摘いただきました。ありがたやー、恥ずかしい!